ひっさしぶりのリアル展示会「スマート工場Expo」レポート。気になるソリューションを添えて
「リアル展示って、やっぱええなぁ。心が洗われるしお肌もツヤツヤになる」
どうも、製造ビジネステクノロジー部のハマコーです。先日の1月26日(金)、寒風吹きすさぶ中、以下の展示会に行ってきました。
日本の巨大産業である製造業も、今まさにDX、デジタル化の真っ盛りなわけではありますが、その熱と製造業の課題感と未来を肌で感じる目的でこちらの展示会に参加してきて、そのレポートです。自分が馴染みがない領域やソリューションが多数展示されていたのですが、話を聞いたブースでは門外漢の私にも非常に親切にご対応いただき、めちゃくちゃ参考になりました。この場をお借りして感謝申し上げます!
製造業きたか…!! ( ゚д゚) ガタッ / ヾ __L| / ̄ ̄ ̄/_ \/ /
昔から未来まで来まくりですよ。
Factory Innovation Weekとは?
「製造業に革新をもたらす展示会」
Factory Innovation Weekは、年4回開催されているようで、今回は1月の東京ビッグサイトでの展示に参加してきました。主に、以下の分野で構成されていて、今回自分が主にブースを回ったのは、この中の「スマート工場EXPO」です。
スマート工場Expoは、製造DXを実現するためのIoT/AIソリューションが一堂に出典しており、遠隔監視、予兆保全、ビッグデータ解析、技術継承を中心に、製造DXを実現する技術が出典しています。会場風景の動画なんかもあるので、雰囲気伝わるかと。
今回は、展示会場全般を回って、ブースで担当の方といろいろ話しながら気になったソリューションを紹介していきます。
スキル・力量管理システム「Skillnote」
会場入口、ひときわ大きなブールを構えていたSkillnote。主に製造業に特化したスキルマネジメントを支援するソリューションとなってます。
従業員のスキルの把握は、クラスメソッドのようなITベンダーでもよく話題にあがり、実際にうちの製造ビジネステクノロジー部の案件へのアサインなどでも参考にしたりするのですが、製造業には、資格がないとそもそも実施してはいけない作業や法令遵守や品質・安全対応を徹底するために、より厳密にそのあたりを管理する必要があるようです。
ブースでお話を伺った話では、独自の資格項目などをマスタ編集して追加することも可能なようなので、近年製造業の現場でもDX人材の流れでIT系スキル(自分が直接聞いた話だと、それこそAWS認定試験など)、把握したいニーズが出てきているようで、そういった製造関連のスキルとITスキルの両面から人材をマネジメントする機運は高くなっているのかもしれません。
シェアNo.1動画編集クラウド「VideoBrain」
動画編集クラウドサービス。製造業の文脈では、工場での作業内容をマニュアル化するニーズは昔から非常に高く、面倒な手間なく誰でも簡単に動画を編集〜作成し、社内共有できるプラットフォームでした。
ブースで実際の画面を見せてもらったのですが、操作は非常に直感的で迷う部分が少なく、特にITの専門知識がない人でも業務の勘所がわかっている人であれば、現場目線で動画の作成と共有ができそうな感触でした。
OTゼロトラストのリーダーとして「txOne」
TXOne Networks | The Leader of OT Zero Trust
製造業界では、よくITと対にして語られるOT(オペレーションテクノロジー)専門のセキュリティソリューションを提供。いわゆる工場内に特化したセキュリティソリューションを複数展開されています。
OTについては、こちらの記事がわかりやすい。
OT(Operational Technology)とは?ITとの違い-フォーティネット
従来OTは工場やインフラ内の閉鎖環境がメインであったためセキュリティの脅威にさらされにくく、ITに比べてOTセキュリティの注目度は低かったのですが、昨今は、IoTなどの文脈でITとの一体化が進んでいるため、OTに関するセキュリティ脅威も広がってきているとのこと。
TXOneでは、ソリューションとして、以下3点を提供しており、包括的なOTセキュリティを実現可能としています。
- セキュリティ検査
- エンドポイント保護
- ネットワーク防御
確実にこれから必要となってくる分野と思われるので、市場ニーズの伸びとともに、この分野も競合が増えていきそうですね。現場の展示には、実際のアプライアンス製品も陳列されていて、非常に興味深いブースでした。
リアルタイム在庫把握「SmartMat Cloud」
重さで在庫を把握するのがユニークなソリューション。現場の在庫管理手法としてRFIDのタグ付けが代表的ですが、手間やランニングコストの問題でなかなか導入に踏み切れない。そういうときに、重さのみに着目して在庫管理をしてしまうという割り切りが、エッジが効いていて良いなと感じました。
このマットが電池やACアダプターで稼働し、Wi-FiやSIMでネットワークとつながり、クラウド上に現在の状態が転送され、統一されたコンソールで全体の在庫管理ができるとのこと。
重量に割り切ることで、液体なども管理対象にできるというのが面白い。タグにこだわらない在庫管理の方法として興味深かったです。
スモールスタート可能な画像処理システム「MoMaVi(モマビ)」
製造業DXでは、よく画像処理システムによる欠品検査が話題にあがりますが、スマホと関連させて小さく早く、現場独自の画像検査を即実行できるのが特徴とのこと。「何が正常で、何が異常なのか」は、それぞれの顧客の現場でもちろん異なりますが、その学習含めて最小構成でカスタマイズし現場導入可能。
とかく、大きな設備投資が必要になりがちなこのあたりのソリューションも、こういう小型でスマートホンを中心とした構成が主流になってきているなと感じますね。
その他、マーストーケンソリューションは、多数のサービス展開をされています。
現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」
既存帳票の電子化ソリューション。既存のExcel帳票を電子化するための無料Excelアドイン「XC-Editor」をつかって、XC-Gateを通じてWeb化することで、紙ベースでは実現できなかった、管理者入力者双方への一元的なデータ管理を実現。
実際にデモを見せてもらったのですが、既存帳票のExcelで利用するアドインがWebインターフェースからデータを蓄積するためのデータ項目定義機能などを全部持っているため、めっさカンタンにWeb画面化とデータベース化できるようになっていました。
「紙を速攻なくして電子化する」、そのことに特化したソリューションとして実績多数で広く使われているようで、現場課題の解決策として、手に馴染むソリューションに感じました。シンプルに強いなぁと。また、別で製造業現場のDXを推進する情報メディアも展開されていて、このあたりの積極的な情報発信も好印象です。
写真データを活用して現場を見える化「Proceed Cloud」
製造業現場で一番メジャーな課題と言える「見える化」。Proceed Cloudは、写真を主軸としてこれを実現しようとするサービスです。主に生産現場での製造工程の工程写真を整理して、関係者全員で共有。工程情報の登録で、遠隔での工程管理とレポーティング作業の効率化を実施。
最初のデータソースが工程写真がベースになっているのが、特徴かなと感じました。実際にみせてもらった画面は、非常に小気味よく動作しており、業務効率化の一つの方法としてこういうアプローチも参考になりそうです。
現場業務のIT化を支援する「pengu」
オムロンによる現場業務のIT化、総合支援サービス。OCR、ETL、RPAの業務自動化ツールが1セットで提供され、プログラミングが不要。かつ、完全マンツーマンの専用育成プログラムまでついている、ツールとプロフェッショナルサービスのあわせ技のそれこそ総合格闘技業務改善サービスという趣。
特に製造業に特化しているというサービスでは無さそうでしたが、製品やサービスの構成が非常によく寝られていて、新規サービス検討するときに素直に参考にしたいなと思いました。
データ活用によるメカトロニクスの進化「i3-Mechatronics」
安川電機によるスマート工場化に向けたトータルソリューション。安川電機自体が大きな製造業ということもあるのか、スマート工場化に向けたトータルソリューションをデバイスからデータの見える化、生産、品質、保全のすべての領域で一貫してソリューション提供しているところに、老舗の迫力を感じました。
ミニセッションも大勢人が集まっていました。
ソリューションの内容を俯瞰するだけで、スマート工場に向けてどういった課題をどのように解決するのか、その全体像が把握できるぐらいの情報量があります。ソリューション動画をいつでも見られる特設サイトも公開されているので、こちらも合わせてみると、理解が深まると思います。
IoT時代の現場特化型MESパッケージシステム「実績班長」
製造工程における様々な課題を解決するMESパッケージシステム。
課題一覧ページには、実績班長で対象としているモノづくりの現場の各課題に対するソリューションがまとめられています。
- 共通課題
- ものづくりの課題
- 型を使う【鋳造・溶断・プラスチック】
- 不要部分除去【機械加工・溶断・特殊加工】
- 組織・表面変更【熱処理・表面処理】
- 要素組み合わせ【溶接・組立】
- 工程ごとの課題
- 製造管理
- 入荷
- 在庫
- 製造
- 検査
- 出荷
実績班長は、これら製造現場の課題に対して必要な機能を選択し、作り方や管理手法に合わせて柔軟にカスタマイズし、誰でもカンタンに使用できる製造実行システムとなっています。
AIとSaaSによる生産スケジューラ「最適ワークス」
主に、生産計画に特化した生産スケジューラ。導入までのリードタイムが非常に少なく即座に現場導入できるSaaS形式というのが特徴のようです。
製造業向けトータルソリューション「RYODEN」
製造業でおよそ必要となるであろう多数のソリューションを一括で提供している、RYODEN社。FA設備のオートメーションに関してもハード含めた多数の機器をソリューションと合わせて取り扱っているのが印象的でした。
最新のロボットテクノロジーにより生産性向上に貢献します|ソリューション|株式会社RYODEN
設備の定期保全管理システム「モニプラット」
設備保全と定期点検も製造業における課題として非常によく出てくるテーマですが、モニプラットは、全設備をTBM(定期保全)とCBM(状態ベース点検)に分けてクラウドで一元管理できるのが特徴。管理側のPC画面による確認だけではなく、現場での保全結果の入力のためにスマホアプリも提供されていて、トータルソリューションとして非常に使いやすい製品と感じました。
無料のお試しプランが充実しているのも良いですね。
まとめ「なんせ熱気に満ちていたイベント会場」
以上、ブース対応いただいた会社様中心に、ソリューション紹介させていただきました。製造業界におけるDXというテーマ、非常に昔から各社取り組まれている中で、各社いろんなアプローチでそれら課題に真正面から対応し工夫をこらしているのが印象的でした。こういう展示への参加久しぶりだったのですが、リアルな展示と現場の方との話が非常に参考になったので、今後も機会があれば参加を継続したいと思います。
それでは、今日はこのへんで。濱田孝治(ハマコー)(@hamako9999)でした。